癒しの犬

 おやじの死期、まさにそのときを迎えようとしているとき、おふくろとわたしと兄弟は、病室のベッドに寄り添っていました。

 幾つもの管に繋がられ、苦しそうにあえいでいる姿を見ているのは、本当につらいものがありました。

 やがて、心肺停止状態になったのでしょう。
「ご家族の方は見ていられないでしょうから、一旦、外してもらえますか」
 わたしたちにそう言うと、主治医先生は、マウントポジションをとり、心臓マッサージを始めました。
(知ってる方は知ってるでしょうが、これで骨を折る場合も多々あるそうです)

 お医者先生の必死の努力の甲斐もなく、最期に親父は安らかに息を引き取りました。

 葬儀屋さんに連絡をとったりその他の手続きをしてから、帰宅しました。遺体は検死などをしてから後から、無言の帰宅をするそうです。

 とりあえず誰もほとんどしゃべらず、家に着いたら、グッさんが鳴きながら飛びついてきました。
 病院には連れていけなかったから。
「そうだ。オシッコ我慢してたんだ。ごめんな」
 早速グッさんを外に連れ出し散歩をして、帰ってきました。
 玄関のたたきで、かれの足を拭きます。家のなかで飼っていたので。
 そしたら、親父の最期の姿が、またフラッシュバックして、涙がこぼれ落ちてしまいました。
 すると、グッさんが、ペロッとそれを舐め取ってくれたんです。慰めてくれるかのように。

「元気出せよ、って言っても今はムリだよな」
 そう言ってくれてるようでした。
「……ありがとう。グッさん」
 
 連れてきた当初は、嫌っていたおふくろも、最後まで可愛がって面倒をみてくれました。

 今でもかれは、家族の一員です。大いに盛り上げてくれました。
 感謝してるよ、グッさん。
 おまえも、おれが死ぬときには迎えに来てくれるとありがたいんだがな。
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ピキュー

Author:ピキュー
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当方、平々凡々の、バツゼロ中年男です。
アルコール依存症であり、それの治療を心がけてます。

 読書、映画鑑賞、散歩(スロージョギング、簡易(?)スクワット含む)、宗教、競馬研究(専門紙名にあらず)等、型にはまった趣味しかありません。
マンガ全般、それと、もともと好きだった、ハードではなく、ソフトな感じのSF、ミステリーが多いですかね。宗教といっても、特定の宗教に肩入れはしません。職業、スリーサイズは、ヒ・ミ・ツ!うふ。気持ちわる!
 それと、異国の女が好み、とでも言っておきましょうか。
こんなところかな。

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