「やめて!」あるいは「聞かないで!」
ほんの、2、3日前のことです。
ちょっと妙なことがありました。いや、単なるわたしの記憶違いといえば、それまでなんですが。
怪談本を買ってきて、読みました。
1つの短編に、すごく、わたし好みのがありました。
おおまか、こんな感じです。
……A氏が、学生時代の友人だったB氏に、久しぶりに電話した。
「おい、Bか? おれAだけど。久しぶり! もし、ひまがあったら、会わないか?」
「おお、Aか? ほんと久しぶり! いいとも! 会おうじゃないか」
お互いに感激して、話が盛り上がっていると、たまに他の声が、Bの方から漏れ聞こえてくる。
あなたぁ、子供たちが落ち着かないで走り回ってるの。ちょっとのあいだ面倒見てくださらない? と、若い女の声。
確かに、子供特有の、甲高いわめき声や、どたどた走り回る音がする。
あいつ、知らぬまに所帯もってたのか。そう思って用件だけ済ますと、とりあえず電話を切った。
後日、やくそく通り、AはBの自宅に遊びに行った。
つづきます。
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