禁断の爆音？

　これまただいぶ前の話なんですが。

ゼット（過去記事、参照していただくとわかりやすいかと思います）と、初めて二人きりで映画を観に行った時のことです。やロー同士で気持ちわるぃ！ってか？

　ま、それはともかく。
　
　アールと違って、ゼットは、より、つきあいやすいヤツでした。

　理由はわたしと似ているところが、結構多かったからです。
　酒好きで、ちゃらんぽらんで、どんぶり勘定で、……エトセトラ。

　そもそも三人とも、高校の同級生で、そっから、始まったわけです。

　そんなある日、ゼットがわたしに、
「映画でも観に行かねえ？」
　と誘ってくれました。

　わたしも快諾して、とりあえず、かれの住んでる街の映画館の前で、待ち合わせしました。

　観た映画はたしか「フェノミナ」

　むかし懐かしいホラー映画ですな。

　ヒロインだったかの女の子が、死んでゾンビになって、水中で、誰かを襲う、というクライマックスシーンで、

いきなりゼットのやつが、

「ボム！」だか「ブオ！」だかの大音量の屁を放ちやがったんですよ！　それこそ映画館全体に響き渡るような。

　わたしは爆笑してしまいましたが、ほかの観客は、くすくす笑う者、怒ったように咳ばらいする者（ムードぶち壊しじゃねーかよ！　ということでしょうな）、なぜか急にせんべいだかポップコーンをボリボリかじりだす者、と反応はさまざまでした。（当時ケータイとかスマホはもちろんありませんでしたから、それをいじる者はいませんでした）

　かれはひとこと。

「あ、出ちった」

　と、ゴー然と言い放ちました。
　つづけて、
「まあ、出物はれ物、所ジョージっつーからな」
「それを言うなら、ところ嫌わず、だろ！　第一、トコロさんに失礼だろーが！」
（知り合いではないけれど）
「ナイスなツッコミありやとやんす」＼(^-^)／

　……わたしにとっては、楽しい想い出です。