ヨーロッパの中心で、○○を叫ばれた男2
そこでゼットが言いました。
「わりぃ(悪い)、(いい気分でしゃべってるトコ)いい? オメー、息クセーよ」
これにはわたしも、爆笑せざるを得ませんでした。
と、いうのも、このゼット自身、口臭のかなり強い男で、かく言うわたし自身もそれを否めない男なんです。
後日(イギリス旅行から、だいぶたってからですが)、アールが、わたしと二人の時にグチをこぼしました。
「まさかあいつに言われるとは思わなかったぜ。(おれら三人の中で)いちばん口のクセーあいつに言われるなんてよ、それもロンドンのストリートでよ」
で、わたしもとりなすように言いました。
「でもよ、通りすがりのイギリス人が、おれらがなに言ってるかなんてわかんねーだろーよ、聞こえてたとしてもよ」
「まあ、そりゃそうだけどさ」
このアール、若いころは、口臭が強くなかったんですよ、実際に。
それでよく、わたしにも自慢げに言ってました。
「おれはオメーやゼットと違って、クチくさくねーぜ。ちなみに歯ぁ、磨いたこともほとんどネー」
でも、そんなことばかりしてれば、年月がたつにつれて、臭くなってくるのはあたりまえです。他にも原因はあったのでしょうが。それに、前述の記事どおり、かれはへビースモーカーだったことも、一因かもしれません。
まあ、いろんなことがありますねえ、人生。って、そんな大げさなもんでもないか?
でも、この口臭談義、後日談があるんです。が、それはいずれまたのちほど。それと、ヨーロッパの中心というのは大げさです。あくまでロンドンの中心、ということでした。
「あまりそばでしゃべるな、ニンニク臭いや」
「おまえさんだって臭いんだ! くそ! おれのことを臭いだなんて抜かしやがった!」
……涙ぐんでいた。
筒井康隆 先生、著。「チューリップチューリップ」より、大意抜粋。
「わりぃ(悪い)、(いい気分でしゃべってるトコ)いい? オメー、息クセーよ」
これにはわたしも、爆笑せざるを得ませんでした。
と、いうのも、このゼット自身、口臭のかなり強い男で、かく言うわたし自身もそれを否めない男なんです。
後日(イギリス旅行から、だいぶたってからですが)、アールが、わたしと二人の時にグチをこぼしました。
「まさかあいつに言われるとは思わなかったぜ。(おれら三人の中で)いちばん口のクセーあいつに言われるなんてよ、それもロンドンのストリートでよ」
で、わたしもとりなすように言いました。
「でもよ、通りすがりのイギリス人が、おれらがなに言ってるかなんてわかんねーだろーよ、聞こえてたとしてもよ」
「まあ、そりゃそうだけどさ」
このアール、若いころは、口臭が強くなかったんですよ、実際に。
それでよく、わたしにも自慢げに言ってました。
「おれはオメーやゼットと違って、クチくさくねーぜ。ちなみに歯ぁ、磨いたこともほとんどネー」
でも、そんなことばかりしてれば、年月がたつにつれて、臭くなってくるのはあたりまえです。他にも原因はあったのでしょうが。それに、前述の記事どおり、かれはへビースモーカーだったことも、一因かもしれません。
まあ、いろんなことがありますねえ、人生。って、そんな大げさなもんでもないか?
でも、この口臭談義、後日談があるんです。が、それはいずれまたのちほど。それと、ヨーロッパの中心というのは大げさです。あくまでロンドンの中心、ということでした。
「あまりそばでしゃべるな、ニンニク臭いや」
「おまえさんだって臭いんだ! くそ! おれのことを臭いだなんて抜かしやがった!」
……涙ぐんでいた。
筒井康隆 先生、著。「チューリップチューリップ」より、大意抜粋。
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