カナシバリ2態 エピローグ
さらに続編。というかエピローグ。
で、わたし自身ももちろんそうですが、いっしょに住んでいたひとなども、時おり、ジュータンのたわしがけなどをしておりました。ひざを折ってしゃがみこみ、前かがみになるような格好で。
けっこう音が響いたものです。「ザッザッザッザッザ……」って感じで。
ある夏の晩のこと。暑いのと、なんとなく寝苦しいので、目がさめてしまいました。すると、寝ながら聞いていた音が、今も続いています。
「ザッザッザッザ……」
ああ、誰かおれの部屋の、グッさんの毛ボコリを取ってくれてるんだ、ありがたいこって……寝ぼけてそんなことをボンヤリ考えてました。
「ん?」
しかし夜中に、それに部屋のいちおうヌシのおれに、無断でそんなことしてくれるかね(おかしな日本語ですが)? 誰が?
体はふつうに動かせるので、ふと音源のほうに眼をやると、入り口あたり、暗闇の中、わたしに背を向けてしゃがみこんで「毛とり作業」をしている者がいる!
いや、「者」と形容はしたが、直後にわかったことだが、こいつあきらかにふつうの人間じゃない! 全身「茶色」にいろどられた、ヒト型エクトプラズムだったんですよ! しいて表現すれば。あるいは暗闇だから茶色に見えたのかもしれませんが。
「オマエなにやってんだよ、そこで?」
全身に鳥肌(サムイボ?)が立つくらい、わたしはものすごく怖かったんですが、思わずそう、声をかけてしまいました。
そいつはわたしの声に反応し(一瞬、ギクッとしたように見受けられた)、ものすごい速さでふり返りました(The Face Is Quicker Than The Eye...
って感じでしょうか)! その顔はノッペラボー! 目鼻、口がない! そしてそのまま常人離れした速さでわたしのベッドに駈け寄り、動けないでいるわたしのすぐ横のベッドのヘリを、それもすごい速さで、両手を使ってたたき出したんです!「ドカドカドカドカ!」!
その音もあきらかに聴こえました。
「わ~!!!!!!!」
カナシバリの副作用か、大声を上げることもできず、心中で絶叫してました。手を動かすことができれば、至近距離のそいつのノッペラボーの顔に、パンチでも見舞いたかったんですが、それもかなわず。
時間にして、ほんの1、2秒だったのかもしれません。わたしにはとても長く感じられましたが。その「ブラウン・モンスター?」は、次の瞬間、フッとかき消すようにいなくなってしまいました。
しかし、消える直前、わたしにはほんの少し「モンスター」の目鼻が、まるでフェードインするかのように、浮かび上がってきて形成されつつあったのが、見れました。
その顔が、なんとなくわたしに似てくるような……そして、得体の知れない、不気味な笑顔をうっすらと浮かべていたような……。
はっと、そのとき思いました。
ひょっとしてこの一連の怪奇現象は、グッさんの超能力? 自分にとっては不快な思いを味合わされて、その加害者たる「わたし」に、同じような思いを味あわせてやろうと、立場を逆にした夢を見させた?
いや、まさかね。それにわたし、はっきり言ってもう記憶の霧のかなたなんですよ、どっちが先に起きたことだったのか。わたしの、グッさんへのちょっかいか、それとも「ブラウン・モンスターとの遭遇」のほうが、より古い想い出か。
そのころは、たまたま日記をつけていなかったので、わからずじまいです。
……というわけで(なにが「というわけ」なのかよくわからんが、と、むかしのギャグマンガ等でありがちなセリフ!)わたしのカナシバリ体験でした。
いつかまたお話をしてあげましょう、ほい、おやすみ(横田順彌・著「ふぁん太爺さんほら吹き夜話」風に。敬称略)
ま、わたしの場合、これを読んでくださってるかたがたに「また読んでくださいね!」とお願いするしだいであります。
で、わたし自身ももちろんそうですが、いっしょに住んでいたひとなども、時おり、ジュータンのたわしがけなどをしておりました。ひざを折ってしゃがみこみ、前かがみになるような格好で。
けっこう音が響いたものです。「ザッザッザッザッザ……」って感じで。
ある夏の晩のこと。暑いのと、なんとなく寝苦しいので、目がさめてしまいました。すると、寝ながら聞いていた音が、今も続いています。
「ザッザッザッザ……」
ああ、誰かおれの部屋の、グッさんの毛ボコリを取ってくれてるんだ、ありがたいこって……寝ぼけてそんなことをボンヤリ考えてました。
「ん?」
しかし夜中に、それに部屋のいちおうヌシのおれに、無断でそんなことしてくれるかね(おかしな日本語ですが)? 誰が?
体はふつうに動かせるので、ふと音源のほうに眼をやると、入り口あたり、暗闇の中、わたしに背を向けてしゃがみこんで「毛とり作業」をしている者がいる!
いや、「者」と形容はしたが、直後にわかったことだが、こいつあきらかにふつうの人間じゃない! 全身「茶色」にいろどられた、ヒト型エクトプラズムだったんですよ! しいて表現すれば。あるいは暗闇だから茶色に見えたのかもしれませんが。
「オマエなにやってんだよ、そこで?」
全身に鳥肌(サムイボ?)が立つくらい、わたしはものすごく怖かったんですが、思わずそう、声をかけてしまいました。
そいつはわたしの声に反応し(一瞬、ギクッとしたように見受けられた)、ものすごい速さでふり返りました(The Face Is Quicker Than The Eye...
って感じでしょうか)! その顔はノッペラボー! 目鼻、口がない! そしてそのまま常人離れした速さでわたしのベッドに駈け寄り、動けないでいるわたしのすぐ横のベッドのヘリを、それもすごい速さで、両手を使ってたたき出したんです!「ドカドカドカドカ!」!
その音もあきらかに聴こえました。
「わ~!!!!!!!」
カナシバリの副作用か、大声を上げることもできず、心中で絶叫してました。手を動かすことができれば、至近距離のそいつのノッペラボーの顔に、パンチでも見舞いたかったんですが、それもかなわず。
時間にして、ほんの1、2秒だったのかもしれません。わたしにはとても長く感じられましたが。その「ブラウン・モンスター?」は、次の瞬間、フッとかき消すようにいなくなってしまいました。
しかし、消える直前、わたしにはほんの少し「モンスター」の目鼻が、まるでフェードインするかのように、浮かび上がってきて形成されつつあったのが、見れました。
その顔が、なんとなくわたしに似てくるような……そして、得体の知れない、不気味な笑顔をうっすらと浮かべていたような……。
はっと、そのとき思いました。
ひょっとしてこの一連の怪奇現象は、グッさんの超能力? 自分にとっては不快な思いを味合わされて、その加害者たる「わたし」に、同じような思いを味あわせてやろうと、立場を逆にした夢を見させた?
いや、まさかね。それにわたし、はっきり言ってもう記憶の霧のかなたなんですよ、どっちが先に起きたことだったのか。わたしの、グッさんへのちょっかいか、それとも「ブラウン・モンスターとの遭遇」のほうが、より古い想い出か。
そのころは、たまたま日記をつけていなかったので、わからずじまいです。
……というわけで(なにが「というわけ」なのかよくわからんが、と、むかしのギャグマンガ等でありがちなセリフ!)わたしのカナシバリ体験でした。
いつかまたお話をしてあげましょう、ほい、おやすみ(横田順彌・著「ふぁん太爺さんほら吹き夜話」風に。敬称略)
ま、わたしの場合、これを読んでくださってるかたがたに「また読んでくださいね!」とお願いするしだいであります。
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